高速演算が可能なパーツが満載で優れたパフォーマンスを発揮することから、学術計算などに用いられているHPC(HighPerformanceComputing)ですが、ここに来て量子コンピューターが登場したことから大きな革新が起こっています。従来型のスーパーコンピューターよりも遥かに処理能力が高く、今後の実用化が期待されています。海外のメーカーの後塵を拝していたかに見えていた日本のHPC(HighPerformanceComputing)でしたが、先日量子コンピューターの初号機が完成し、ついに世界のトレンドに追い付くことができました。これまでのCPUでは1つの命令を1つのコアが処理することから、1度に処理できる命令はコア数に依存していました。
複数のコアを持つCPUをいくつも搭載したり、グラフィックカードで処理を補うGPGPUなどを組み合わせて高速化を目指したものの、それには限界が見えていました。一方、量子コンピューターの場合は1つのコアで複数の命令を処理できるだけではなく、それらの答えを処理が完了したものから順番に出力するのではなく同時に出力することが可能になったほか、元になる式のパラメーターを変えたものを一挙に計算することも可能となりました。つまり、1つのコアでマルチスレッドがいくつも連鎖し、複雑な計算が可能となったのがポイントです。夢の量子コンピューターもいよいよ実用化が迫っており、HPC(HighPerformanceComputing)の世界が大きく変わろうとしています。